理想の奏法は良い楽器を手にしたときに気付く

“トレーニングを続けてきて一番の効果とはなんでしたか?”と質問を受けました。


私は「五感が敏感になって、身体の状態を察知する能力が高まった」ことだと思います。


“筋肉がついて体格が良くなった”なんてことは、その次なんですよね。


大事なのは自分の身体と向き合うこと。


何事にもキャパシティってあると思うのですが、自分の持っているバケツはどれくらいの大きさで、今どれだけ水が溜まっていて、あとどのくらいで溢れてしまうのかを正確に把握することって自分の身体を理解していないと難しいと思います。


私はトレーニングを通じて「五感」を鍛えたことで、それを察知すること、バケツを少しずつ大きくすることができたと思います。


私は高校に入学してから今まで16年間、病欠が一度もありません。これ以上無理をしたらダメなポイントが感覚的に理解できるようになりました。


この感覚は誰でも高められると思いますよ。



例えば、楽器の演奏など“道具”を扱うものってどうしてもそれを扱うスキルに左右されてしまうので


身体の扱い方を鍛えるトレーニングを並行して実践するのが上達の近道だと思います。


自分の身体が扱えるようになった次の段階として、道具の扱い方がわかるようになるのではないでしょうか。


演奏家の方は良い楽器から正しい音の出し方を教えてもらうといった経験があるかと思いますが、


良い楽器を手にしたときに、その扱い方がわからない身体の状態でいることは本当にもったいないことです。


トレーニングには悩みを抱える演奏家の皆さんにとって多くのヒントがあると思いますよ。

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